創業者兼CEO
木村祐太郎 メッセージ
僕は幼少期、地元で建築金物業を営んでいた祖父のもとで育ちました。欲のない祖父の経営は誠実で堅実なものでしたが、業績は決して順風満帆とは言えず、幼いながらも家業の将来に漠然とした不安を感じていたことを今でも覚えています。この原体験は、結果として僕の価値観に大きな影響を与え、ビジネスに対する独自の視点と危機意識を育みました。
僕が初めて商いの面白さと本質に触れたのは、小学生の頃です。ある日、地元の中古ゲームショップに立ち寄った際、同じゲームソフトであっても店舗ごとに販売価格が異なることに気づきました。そこで僕は複数の店舗を回り、価格差を調査。安価で仕入れ、高値で売却することで、初めての利益を得ることができました。
しかし、実際には想定通りの価格で買い取ってもらえず、売却先の店長と交渉する必要がありました。その際、「交渉によって価値は変動しうる」という実感を得たことは、後のビジネス人生における重要な学びとなっています。この経験が、 僕にとって最初の実践的な商売であり、利益を生み出す行為そのものへの興味を抱く原点となりました。
16歳で投資に出会った僕は、限られた資金で試行錯誤を重ねる中で、「資金力こそが投資の成果を左右する最大の要素である」と痛感しました。そこで、資本力の獲得を目的として、20歳のときにIT分野で起業。事業を成長させた後、M&Aによる売却を実現し、投資活動のための原資を確保しました。
その資金を元手に本格的な投資事業を開始し、独立系ファンド「KIMURAファンド」を立ち上げ、個人・法人向けに多角的な資産運用を行っています。
このファンドの原点には、戦後間もない1948年4月28日に祖父・木村貞弘によって創業された「キムラコーポレーション株式会社(旧:合資会社木村商店)」の存在があります。僕はこの企業の事業を正式に継承し、「KIMURA F合同会社」として再編。伝統ある企業の理念を引き継ぎながら、投資という新たな領域で価値創造を目指しています。
さらに、フィリピンに「KIMURA F Philippines Inc.」を設立し、東南アジア市場におけるファンド運用を展開。加えて、世界各国のファンド会社・金融機関とのパートナーシップを通じて、グローバルな資産運用ネットワークの構築にも取り組んでいます。
伝統と革新、ローカルとグローバルを繋ぐ存在として、今後もより持続可能で実質的な価値提供を目指してまいります。
Yutaro Kimura